カジュアルな状況でことばを使うとき

2011-08-26

子どもたちのみならず、大人にとっても、カジュアルな状況でことばを使うときには、ことばの意味はそのカジュアルな状況に合わせて変わります。例えば、1970年代のアメリカの若者は、greenとかbreadということばを「お金」という意味で使っていました。フォーマルな英語ではそれぞれ「緑」と「パン」という意味です。でも、いわゆる若者のストリート・トークでは、ドル紙幣が緑色をしていますので金になり、その日暮らしのヒッピーには「パンを買う金」という意味で少額の金という意味を持つようになったのです。Canyousparemesomebread?「少し金を恵んでくれないか?」などとよく耳にしたものです。カジュアルな状況のなかでどんどん意味が生まれ、そしてことばが使われていきます。そういう意味では、キリストはもしかすると本当にストリートの人であったのかもしれません。彼は聖書の福音書で「人はパンのみで生きるにあらず」と言っています。この場合の「パン」はメソポタミア地域の主食を指すので食物という意味であると同時に、金や富などの世俗的なことを総称しているのです。フォーマルなことばは意味までもガチガチに縛られていますが、インフォーマルで、カジュアルで、そして親密な状況でのことばは、とても自由自在で絶えず変化していて新鮮です。子どもたちはカジュアルなコミュニケーションを満喫しているのです。そうした状況でことばを使わせてあげたいと切実に感じます。