日焼けを防ぐ化粧品

2011-06-24

夏場の需要を掘り起こすことに成功した化粧品会社の「夏の小麦色」戦略は、80年代半ばになると、急速に効力を失ってしまう。80年代初めに南極でオゾンホールが発見されてからというもの、紫外線のマイナス面が大きくクローズアップされるようになったからだ。シミやソバカス、皮膚がんの原因になるだけでなく、肌にじわじわとダメージを与え、時にはたるみやしわなど老化の原因にもなる紫外線は、女性にとっては忌避すべき対象以外の何物でもない。女性たちは一転して夏も白い肌を志向し始め、化粧品会社も1年を通して日焼けを防ぐ化粧品に力を入れる。70年代、あっけらかんと夏の強い日差しの下で日焼けを楽しんでいた頃とは180度の転換だ。
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UV(紫外線)という言葉を女性たちが日常的に口にするようになったのもこの頃だ。UVには、波長の長さによってUV‐AとUV‐Bがあり、UV‐Aは皮膚の真皮まで届いて細胞や脂肪組織を酸化すること、UV‐Bは肌の表皮にダメージを与えてシミの素になるメラニン色素を作り出すことは、いまや女性の常識だ。女性たちは、紫外線を防ごうと、SPF(sunprotectionfactor=紫外線防止指数)の高い日焼け止めの購入に走り始める。90年代に入ると、通年型の美白化粧品の開発はさらに進んだ。その成果の1つが、90年に資生堂から発売されたシミ・ソバカスを防ぐ美容液ホワイテスエッセンスだ。独自に開発した美白成分アルブチンの効果に加えて、このネーミングも巧かった。美白志向のツボを押えた商品名が、大ヒットに貢献したことは間違いない。以後、ホワイト、ホワイトニング、ホワイティ、ブライト、ルーセント(透明な)など衣料用洗剤のようなネーミングが氾濫することとなる。
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