三十歳までの私はスプーンのスタンス幅を腕の外側ラインで決めていた。腕の外側ラインとかかと内側が一致するスタンス幅。脇の下と腕の外側とでは二一センチの差がある。この決めようは簡単。身長から100を引いた残りが体重となる肥満の気配ゼロの方は腕の外側ラインでもいい。ゴルフを始めたころの私は一一〇を引いてちょうどの体重だった。身長一メートル七八センチ、体重六八キロ。当時、ピッチングウェッジのスタンス幅は腕の外とかかと外側とを結んでいたのである。現在、九〇を引いてちょうどの体重。ゆえに広いスタンスでは体重移動が難しくなった。だから、脇と腰の基本縦ライン上にスプーンのスタンス幅を置いている。スタンス幅は身長、体重と関係を持つ。スタンス幅の基本は身長から100を引いた数字次第。100を引けば体重となる方は、脇と腰とを結ぶ縦ラインをかかと内側に合わせればよい。また、腕の外側ラインであってもいい。節制体重に基本は寛大である。しかし、肥満の方は基本縦ラインより外れるのは無理。肥満体型に選択の余裕はない。スタンス幅は年齢、体重の両面で変わりゆく。今の私は十八年前のピッチングウェッジのスタンス幅でドライバーを打っている。不節制の証明である。基本は単純なれど、基本応用は大きく変わる。そこを日本のゴルフ界は見落とした。基本を複雑にした。進化の方向を違えたのである。今、百年前の基本、五十年前の基本、二十年前、現在と、混じり合いの基本理論の中でゴルファーは明日を模索している。個々の日の出はまだまだ先だ。かかと幅一〇センチでスタンスを変えよ。