九〇年代、日本のポピュラー音楽産業が爆発的に成長したもうひとつの要因はテレビである。もちろん、それ以前にも、テレビはヒット曲に大きな影響を与えてきた。しかし八〇年代以降、テレビとの「タイアップ」というビジネスモデルが登場したことで、テレビがもたらす影響力は質・量ともまったく変わってしまった。ポピュラー音楽は「聴くもの」から「見て、聴くもの」に変化したといえるだろう。数字で見てみよう。驚くべきことに、日本のレコード産業が急成長を続けていた九一年から九八年の間ずっと、オリコン年間シングルセールストップ五〇のうち、ドラマ主題歌、CMソングなどとの「タイアップ」としてテレビで流れた曲が四十曲以上を占めている。
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生産金額がピークを迎える九八年の前年、九七年に至っては、上位五十曲のうち実に四十七曲がタイアップ曲が。「売れた曲イコールテレビで流れた曲」なのである。