貴重な標本「ふたかわガニ」「ふだよガニ」

2010-11-16

新しいからだの抜け出るところは、ズワイガニの甲羅の後方の腹部との境目、甲羅をはずして食べるときにちょうど両手の親指をもって行くあたり。そこを中心に甲羅を半分ほど開いて、新しいからだがすっぽり抜け出る。飼育観察によると、新しい甲羅が見え出してからは六時間四十分かけてごくゆっくりと脱皮が進み、歩脚が抜けはじめるとしぐさは早まり、脱皮完了までに七時間を要した。ズワイガニにとっては災難なことであるが、七時間もかかる脱皮の最中に底びき網にかかってしまうこともある。丹後の漁師の間では、こうしたズワイガニは新旧二つの殼をもっているので「ふたかわガニ」または「ふだよガニ」と呼んでいるが、研究する立場からすると貴重な標本となる。