居住者から集めた管理費や修繕積立金はマンションの規模にもよるが、総額で百万円単位、一千万円単位、ときには億単位になることも珍しくない。そのため、大金に心を動かされて使い込み、持ち逃げといった不祥事がしばしば起きる。そんなことから、個人に大金を持たせると危険、ということで管理会社にそっくり預けているケースがある。また、多くの管理組合では日常の管理業務と会計業務を一括して管理会社に任せているので、お金の出し入れなどの面で管理費も預けておいたほうが何かと便利ということもあるだろう。なかには管理費の振込口座そのものを管理会社名義にしてしまっているケースもある。しかし、管理会社にお金を預けるのは最も危険だ。横領など発生しなくても、景気低迷が長引くと倒産ということも考えられるのだ。その管理会社が大丈夫でも親会社である不動産会社や建設会社などの経営が破綻し、連鎖倒産することもある。現実に管理会社が倒産して裁判所で争ったものの、管理費だけでなく、長年積み立ててきた修繕積立金も返ってこなかったという事件が発生しているのである。現段階で最善といわれている方法は、管理組合理事長名義の銀行口座をつくって、そこに管理費や修繕積立金を振り込むようにしておくこと。そのうえで印鑑は理事長が保管し、通帳は会計担当理事が保管するというように分担することだ。また、間違ってもキャッシュカードはつくらないこと。そうしたからといって百パーセント安全とはいえないが、犯罪が起きないように少々面倒でも念入りにガードを設けておくことである。