私の存在は、子ども達にとっては非常に迷惑だったようである。新しく出会う友達に、親が私であることがわかると必ず聞かれるそうだ。「小さいころから百ます計算させられたの?」私にしても同じようなことがある。講演会に行くと、終わったあとの雑談の中で、聞きにくそうではあるが、図々しく聞いてくる人がいる。「お子さんはどうですか?」暗に子どもの学力を聞いてくるのだ。私は、私の話したことが何かの拍子に私の子どもに伝わるのを警戒して、いろいろとごまかした。だが、子ども達も成長し、理解できるようになったので、最近は「はい、次女は東大に入りました」ときっぱり言うようにしている。私には三人の子どもがいるが、三人とも個性があり、実に楽しい。古人の歌にあるように宝である。余裕があれば、もっとたくさんの子どもがいてもいいとずっと思っていた。何よりありがたいのは、三人とも私のような親のもとであっても、人から好かれる人間に育ったことだ。