「彼女は迷ったが、ともかく行ってみようと心を決めてスーパーへ出かけた。汗をかきながら、身ぶり手ぶりを交え、カタコトの英語を必死で駆使してなんとかショッピングをすませた。そのとき、彼女の中に少し自信が芽生えた。よし、やってみよう。当たって砕けろだ。以来、通じようが通じまいが、理解できようができまいが、姑に積極的に声をかけたり、いっしょにテレビを見たり、外出したりして、手当たりしだいに英語を話し、覚える機会をつくっていったんだ。アメリカ人の言葉なら、無条件に耳を傾けて熱心に聞き、目に入ってくる文字はすべてしっかり読んだ。そんなある日、突然、口がすっと滑らかに開いた。舌がむずむずして、頭で考える前に自然に言葉が出てくるという不思議な現象が起こつたんだ。むろん韓国語じゃなく英語でだよ。私か思うに、彼女は最良の方法で英語をものにしたといえる」「いっそのこと英語を知らないほうが有利だということですか?」「そう。韓国式のおかしなアクセントや発音に慣れているよりは、ずっとましだろう」「ということは、私たちがいままで学校で学んだ英語は、ほとんど役に立たないということにもなりますね」