歯科医の卵が歯の治療をする

2010-12-20

「それは固定観念にすぎません……」先生はこう言って首を横に振ったあと、言葉を継いだ。「もっとハッキリ言うと、期待外れに終わります。大学病院で実際に歯科診療に当たっているのは、教授や准教授ではありません。教授や准教授は優秀でレベルの高い知識と診療技術を持っているでしょうが、学生に教えることが仕事です。実際に大学病院で歯科の治療に当たっているのは講師助手か、卒業間もない歯科医の卵、もしくは学生です」国家試験に合格しなければ、診療することはできない。しかし、合格してしまえば、学生でも診療に当たれる。そうした歯科医の卵が歯の治療をしたり、入れ歯をつくったりしているというわけだ。学生や実習生によってつくられた入れ歯は、インストラクターによってチェックされる。悪い部分があれば、インストラクターが手直ししたり、学生や実習生にもどされて手直しされたりするという。「表現は悪いかもしれませんが、大学病院で入れ歯をつくる患者さんは、臨床実習の練習台になっている可能性があるわけです。そんな状態でつくられる入れ歯が、本当に患者さんのためになる入れ歯になるでしょうか?どう思います?」