最近ではこれに「環境」という非常に重要な項目も加わりました。それを、ただ一級建築士の資格を持った人だけに任せているのが日本です。どこかに無理が出て当然です。マンションは、手に入れる前は「デザインや立地条件」などに目が向くものですが、購入後実際に10年、20年と住んでみると、「安全で健康的で住みやすい家がいい」、あるいは「メンテナンスが楽でコストがかからない家がいい」というように、価値観は変わっていくものです。どちらが本質的かと言えば、長年住んだあとの価値観のほうでしょう。しかしこれまでの日本の住宅供給、特にマンション供給の世界では、前者の「表面的な、一見魅力的である」価値観を重要視して、顧客に物件を提供・提案しています。住宅の価値というものの本質を知らずにマンションを購入して、取り返しのつかない「損」をしている人がどれだけいることでしょうか。13人のパイオニア1970年代、日本では高度成長に伴う急激なマンションブームが全国的に起こり、年間数万戸程度だったマンション供給量は10万戸にも上昇しました。右肩上がりの経済成長がいつまでも続くという幻想が信じられていた時代でした。そんななかで起こったオイルショックは、日本社会にも大きな波紋を投げかけました。都会のネオンやテレビの深夜放送の自粛などが行われましたが、間もなくそれも復活し、日本はさらなるバブル経済へと突入していくことになるのです。